スーパーの正社員は恥ずかしい?スーパー歴10年の私が疑問にお答え

スーパーで勤務経験のある私にとっては驚きを隠せないのですが「スーパーの正社員には恥ずかしい」といった声が、ネット上にはあるようです。

スーパー業界への就職・転職を検討する場合、こうした意見はすごく気になってしまいますよね?

結論からいうとスーパーの仕事は、全く恥ずかしくはありません。確かに働くうえでデメリットになる点もありますが、社会で重要な役割を担う「意義のある仕事」です。

この記事では、スーパーへ就職することが恥ずかしいといわれる理由を紹介し、スーパーの勤務歴を持つ「だいすけ」が、独自の見解を述べていきたいと思います。

また記事の後半では、スーパーで正社員として働くメリットやデメリットについて解説します。

この記事を読み終えた後、あなたのココが変わります!
  • スーパーで働くことが恥ずかしいと言われている理由がわかる
  • スーパーで働くことが恥ずかしくない理由もわかる
  • スーパーで働くメリット・デメリットもわかる

筆者のプロフィール

執筆者(だいすけ)のプロフィール
某ドラッグストアに3年勤務し店長経験
某スーパーマーケットチェーンに契約社員として転職
1年半で正社員へ登用
入社3年目で部門マネージャー、5年目でスーパーバイザーを経験
8年目には店長へ昇進。年収600万円達成!
現在は脱サラし、フリーランスのWebライターとして活動中(4年目)

厳しいとされる小売業界でトントン拍子に昇進を果たし、業界内での転職も経験している私が実情を交えつつ解説いたしますので、ある程度リアルな情報がつかめるかと思います。

目次

スーパーが恥ずかしいと言われる理由にやんわりお答え

まずは「スーパーへ正社員として就職することが恥ずかしい」といった意見に対して、経験者目線で見解を述べていきます。

未経験でも正社員になれるから恥ずかしい

「スーパーの正社員は未経験でもなれるから恥ずかしい」という意見があります。

たしかに未経験でも就職・転職のチャンスが十分にある仕事です。そのため「誰にでもできそうな、容易い仕事」といったイメージがあるのかもしれません。

ただスーパー業界は入り口が広く取られているだけであって、キャリアアップしていくにつれ多岐にわたるスキルが求められる業界です。店長なら経営やマネジメント、社内コミュニケーションなどのスキル、バイヤーなら数値管理能力や商品知識、社外コミュニケーションなどのスキルをそれぞれ求められます。

よって店長やバイヤーとして活躍できる人なら、社会全体で見ても「仕事のできる人」と言っても過言ではありません。

「誰でもできる仕事だから恥ずかしい」というのは、スーパー業界のことをあまりよく知らない人の浅い意見ですので気にしなくてOKです。

他の職業に比べて給与が低いから恥ずかしい

「スーパーの正社員は他の職業に比べて給与が低いから恥ずかしい」という意見です。

国税庁の発表によれば令和4年度の全職業の平均年収は458万円です。それに対しスーパーの正社員の平均年収は357.7万円(データ引用元:厚生労働省「jogtag」)で、年収が低めな点は否めません。

ただし、スーパー業界でキャリアアップできれば、収入はそれなりに高められます。私の場合、入社6年目には年収スーパーバイザーに昇進して年収500万円、入社8年目には店長に昇進して年収600万円に到達していました。

売上規模の大きいスーパーの店長を任される場合には、年収700〜800万円ということもあります。

ただし800万円以上の年収を実現するとなると、本部長(担当エリアの店長を統括するポスト)までキャリアアップする必要があります。ここまで昇進できる人は業界でも一握りのため、ハードルは非常に高いと言わざるを得ません。

よって年収800万円以上を目指す場合には、スーパーの正社員ではなく他の職業への就職を探した方がよいでしょう。

ダサい・モテないイメージがあるから恥ずかしい

ダサい・モテないイメージがあるから恥ずかしいという意見です。

この点については男性目線で語らせてもらいます。

この点については男性目線で語らせてもらいます。

確かにスーパーの仕事には「モテる」イメージはあまりないですよね?その点は同意します。

ただ「モテる職業」ってなんだろうという素朴な疑問が生まれてきたので、調べてみることにしました。

美容師かな?それともパイロットかな?

マイナビウーマンの調査によると「20代女性・30代女性にモテる職業」は以下の通りです。

20代女性にモテる男性の職業30代女性にモテる男性の職業
1位公務員公務員
2位医者医者
3位銀行員弁護士
4位消防士商社マン
5位サラリーマン税理士
出典:マイナビウーマン「モテる職業ランキング~男女別、年代別に調査~」

データによれば公務員、医者が1位です。

医者は予想の範囲内でしたが、公務員はちょっと意外でした。

ここで男性の思う「モテる男の職業」と、女性の思う「モテる男の職業」はずれているのではないか、という仮説に至りました。

男同士でどの職業がモテる・モテないを議論するのは
不毛ですねw

女性にモテるなら「華やかさ」よりも「堅実さ」「安定した収入」が重要なようです。30代になると「消防士」がランク外になっていることから、「危険な職業」も除外されていくようで、とにかく「安定感」が重要である印象を受けました。

この観点でいくと、スーパーの社員としてキャリアアップしていけば「安定的な収入」を築けます。ちゃんとキャリアを積んでいて、人柄が良ければそれなりにモテると思います(というかモテないから恥ずかしいとか言ってる人はどんだけモテないのだろう??)。

私の勤務していたスーパーでは、普通に結婚して家庭を築いている人も多いので、必要以上に心配する必要もないのではないでしょうか?

スーパーの正社員に関する肯定的な意見

ネットのQ&Aサイトでは、実際に「スーパーの社員として働くことが恥ずかしい」といった悩みが寄せられるています。こうした悩み相談に対して、ありがたくも肯定的な回答を残してしてくれている方がいらっしゃるので紹介します。

スーパーなかったら困るでしょ? 品出ししてる人がいないと困るでしょ? 世のために働けるって誇りじゃないですか? って考えられないならやめてください。 やる気ない店員ほど迷惑なものはないです。

私が行くスーパーの社員さんらしき店員さんは キビキビ動かれていてステキですよ。^^ そういう店員さんを目指してみては?

「Yahoo知恵袋」

私も同意見で、スーパーの仕事は世の中のために貢献できる素敵な仕事だと思います。

スーパーがなくなったら多くの人の生活に支障が出るのは間違いありません。この点を再認識してみると、スーパーの仕事が誇らしく思えてくるのではないでしょうか?

何が恥ずかしいか分かりません(゚-゚) 誰が笑う? 誰が馬鹿にする? 真面目に正社員で働いている者を馬鹿にする奴はいつか自分にくる!! 俺はそう思う☆ 仕事に誇りもとう。

「Yahoo知恵袋」

そう。スーパーの正社員は決して「恥ずかしい職種」などではないのです。

スーパーマーケットで働くデメリット

スーパーで働くことは決して恥ずかしいことではありません。しかし、働くうえでのデメリットがないわけではありません。この章では「スーパーで働くデメリット」を紹介します。

1. 不規則な勤務時間と長時間労働

スーパーは早朝から夜遅くまで営業しているのが一般的です。

パート・アルバイトは曜日や時間帯固定して働ける場合もあります。しかし社員の場合は早朝から、または午後からの勤務など勤務時間はかなり不規則です。

店舗によっては通し勤務(開店から閉店までの勤務)があったり、お盆や12月など繁忙期には残業が増えることもあり、長時間労働にもなりがちです。このように不規則な勤務時間と長時間労働がある点は、スーパーマーケットで働くうえでのデメリットといえます。

2. 肉体的な負担が大きくなりがち

スーパーでの日常業務には、肉体的な負担が伴います。

米・飲料・酒など重要品の運搬や補充作業や、レジ業務、生鮮部門の調理・加工作業における長時間同じ姿勢での立ち仕事など身体への負担が大きくなりがちです。忙しい時間帯には、休憩を取ることなくこうした業務に従事しなければならないこともあり、疲労が蓄積することもしばしばです。

いずれの部門に配属されるにせよ肉体労働が多くなる点は、スーパーで働くうえでのデメリットといえます。

3. 対人関係のストレスは多め

スーパーでは接客の機会が多いため、クレームが日常的に発生しがちです。

「買っていった製品が腐っていた」
「レシートを確認したら、値札と金額が違っている」
「店員の態度が気に入らない」

といった具合にほとんどのクレームは店舗側の落ち度であるため、ぐうの音も出ません。ひたすら謝罪をするのみですが、メンタルにダメージを受けます。

また最近では「カスハラ」というワードも一般的に認知されつつありますが、こちらに落ち度もないような理不尽なクレームと遭遇する可能性もゼロではありません。いずれにせよクレーム対応は一歩間違えれば、大惨事になりかねないため、かなり神経をすり減らすことになります。

また、対人関係のストレスは内部にもあります。

大きな店舗では100名以上の従業員が働くスーパーマーケットでは、人間関係の軋轢がしばしば生じるものです。

スタッフとの衝突はこれまでに結構、経験してきました。

このように、人と接する機会が豊富だからこそ、人間関係のストレスは多めな仕事といえます。

スーパーマーケットで働くメリット

次にスーパーマーケットで働くメリットを詳しく知っていきましょう。

1.将来性が高め

スーパーで働く大きなメリットの一つは将来性の高さにあります。食品や日用品など扱う商品には安定した需要があり、景気や社会情勢の変化に左右されづらいためです。

しかし昨今は、テクノロジーの発達によりAIに代替される業務が増えてきています。スーパーでセルフレジが導入されているのを見ると、「スーパーも人間のいらない時代が来るのかな?」なんて思うかもしれませんね。

しかし、レジの仕事は、スーパーの仕事のほんの一部でしかありません。食品加工や在庫管理、売り場作り、品出し、清掃などいたる所で人間の力がこれからも不可欠な業種です。

テクノロジーの進化や社会の変化に負けない将来性の高さがある点は、スーパーの社員になる大きなメリットです。

2.地域に貢献できる

スーパーで働くことで、地域貢献ができます。

スーパーは人間が生きていくうえで欠かせない食料品を供給している場です。住民にとってのライフラインになるため、地域への貢献度は非常に高いところがあります。

また地元の生産者から食材を仕入れて、経済活性化に貢献できたり、イベントを企画・開催して、お客さんへエンターテインメントを提供できたりと、貢献できる場面は多様です。

3.キャリアアップが早い

キャリアアップが早い点は、スーパー業界で働く魅力のひとつです。

社員は年齢に関係なく基礎的な経験を積み実力をつけた者から、どんどんマネジメントの立場へと昇進していける環境です。

2〜3年スパンで昇格していく人も珍しくなく、実力次第で収入を大きくアップできるチャンスを秘めているのがスーパーの社員として働くメリットです。

スーパーの正社員がキャリアアップした先にあるポストを紹介

スーパーの正社員のキャリアアップ後のポストをいくつか紹介します。

部門リーダー(部門マネージャー)

スーパーには青果・鮮魚・精肉・食品・惣菜・サービスなど、さまざまな部門が存在します。部門リーダーとは、数あるスーパーの部門のうち、一つの部門を管理する職種です。

たとえば青果部門のリーダーや精肉部門のリーダーといった具合に、部門の数だけリーダーがいます。部門の売上や利益に責任を持ち、売り場を作ったり、商品を管理したり、アルバイト・パートの指導を行ったりします。

早い人では入社後2年程度で部門リーダーに昇進するケースもあります。部門のマネジメント経験を通じて、さらなるキャリアアップのための準備ができるポストです。

バイヤー

バイヤーとは商品の仕入れを担当する職種です。

取引先と商談を行い、商品を買い付けたり、仕入れ価格の交渉を行ったりします。他の職種と異なり、店舗にいる時間は短く商品の買い付けを行うために、国内外を飛び回ることもしばしばです。

バイヤーの指示した価格で指定した商品が全店に並ぶため、売上や利益に対する責任が社内でトップクラスに重い職種ですが、反面、やりがいに溢れています。

他の職種と異なり対外的な業務が多いため、社外コミュニケーション能力や交渉力、情報収集能力など、スーパー業界の中でも特有のビジネススキルが多く身に付く職種です。

店長

店長は店の最高責任者として、店舗全体の売上、利益、経費を管理する事実上の経営者に当たるポストです。

スタッフや商品、設備、建物、備品に至るまで店舗に関連するすべての要素が店長にとってのマネジメント対象になります。よって極めて高いマネジメント能力が求められます。

会社から与えられた売上と利益の目標を達成するために、各部門に対する指示や、スタッフが快適に働けるような労働環境の整備に努めます。

スーパーバイザーやバイヤーなどの職を経験した後で店長へと昇進することが一般的です。

スーパーバイザー

決められたエリアにある店舗を巡回して、売り場の点検・指導を行うポストです。鮮魚のスーパーバイザーや畜産のスーパーバイザーといった具合に、部門ごとにスーパーバイザーがいます。

平たくいうと部門リーダーの直属の上司に当たるポジションで、受け持ち店舗の部門リーダーを育成することもスーパーバイザーの重要な仕事です。

また車内のパイプ役として様々なポストの人と連携を取るのもスーパーバイザーの役割です。たとえば各店の店長と担当部門に関連した調整を行ったり、バイヤーの買い付けた商品が決められた金額で陳列されているかをチェックしたりします。

社内コミュニケーション能力や調整力、マネジメント能力を求められる職種で、部門リーダーの中で優秀な者が、スーパーバイザーに選出されるのが一般的です。

まとめ

この記事では、「スーパーの正社員は恥ずかしい」という意見に対し、スーパに10年勤務した経験者の目線の目線から見解をお話ししました。

スーパーの正社員が恥ずかしいとされる意見は主に以下の3つです。

  1. 未経験でも正社員になれるから恥ずかしい
  2. 他の業界に比べて給料が安いから恥ずかしい
  3. ダサい・モテないから恥ずかしい

こうした声はスーパーの仕事の表面だけを見ているか、もしくは勤務歴の浅い方から主に出ている意見であることがわかりました。実際のところスーパーの正社員はキャリアアップしていけばそれなりに給料を高めていけます。

またキャリアを重ねるほどに誰でもできる仕事というわけではなく、マネジメント力やコミュニケーション力を高いレベルでも求められるようになります。

生活に欠かせない商品を扱っていることにより需要が安定しており、業界の将来性が高かったり、社会の貢献度の高さにやりがいが感じられたりと、スーパーで得られるメリットは豊富です。

この記事を読みスーパーの仕事が素敵だなと思った方は、ぜひネットの意見など気にすることなく、就職に向けて一歩踏み出してみましょう。

当メディアは、あなたの挑戦を応援しています。

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この記事を書いた人

スーパーマーケットやドラッグストアに延15年勤務。店長やスーパーバイザーを経験しました。現在は退職し、フリーランスのWebライターとして活動中。2時の父.

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