スーパー正社員の年収はいくら?勤務歴10年の私が実体験を交えて解説

「スーパーへ正社員として就職すると収入はどのくらいかな?」と、疑問に思うことはありませんか?

厚生労働省「jogtag」における令和5年度のデータによると、スーパーの正社員の平均年収は361万円です。これに対し、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、令和4年度の全職業の平均年収は458万円とのこと。比較するとスーパーの正社員の収入は低めであると分かります。

ただどんな業種にも言えることですが、入社する企業や個人の状況によって年収は大きく異なるものです。そこでこの記事では、私の実体験をもとにスーパーの正社員の年収に関する「リアル」を紹介します。

この記事を読み終えた後、あなたのココが変わります!
  • スーパーの正社員のリアルな収入がわかる
  • スーパーで収入を高めるために必要なことがわかる
  • スーパーの正社員として評価されるために磨くべきスキルがわかる

執筆者(だいすけ)のプロフィール
某ドラッグストアに3年勤務し店長経験
某スーパーマーケットチェーンに契約社員として転職
1年半で正社員へ登用
入社3年目で部門マネージャー、5年目でスーパーバイザーを経験
8年目には店長へ昇進。年収600万円達成!
脱サラ前と脱サラ後にプログラミングスクール受講
現在は脱サラし、フリーランスのWebライター・Webデザイナーとして活動中(4年目)

目次

スーパー歴10年の私が、正社員のリアルな収入事情を解説

この章ではスーパー歴10年の私「だいすけ」が、入社時から勤続10年目までのリアルな収入事情を解説します。

入社1年目 部門担当者「年収264万円」

私は勤めていたドラッグストアを退職後、スーパーへと転職し日用品/医薬品部門へと配属されました。このとき正社員として採用されたわけではなく、契約社員として採用されています。

当時の収入は以下のとおりです。

年収(概算)264万円
ボーナス秋冬計(基本給+職能給の3.4ヶ月分)0
月収(概算)22万円
内訳基本給 21万5千円
登録販売者手当5千円

契約社員の頃は、手当もボーナスも全く付かなかったため、かなり収入が低いですね。

入社3年目 部門リーダー(チーフ) 「年収394万円」

入社3年目に正規登用試験を受けて合格。契約社員から正社員になると同時に、部門リーダーに昇進しました。

スーパーは鮮魚や惣菜などさまざまな部門に分かれており、部門リーダーはその内の一つの部門の責任者にあたるポストです。一般的にはスーパーに就職後、初めに経験する管理職であることが多いものです。

当時の収入は以下のとおりです。

年収(概算)394万円
ボーナス秋冬計(基本給+職能給の3.4ヶ月分)75万1千円
月収(概算)26万6千円
内訳基本給 22万1千円
(ベースアップ :3,000円×勤続年数)
登録販売者手当 5千円
職能給 1万円
家族手当 2万円(配偶者1名)
住宅手当 2万円

3年目で、やっとまともに暮らせる程度の収入になってきました。大きな変化は契約社員から正社員になり、ボーナスが出るようになった点です。

手当も少し充実。部門リーダーになったため職能給がついたり、結婚したため家族手当がついたりしています。また少額ながら勤続年数に応じたベースアップ(3,000円×勤続年数)もあったため、基本給も少し増額されています。

入社5年目 スーパーバイザー 「年収474万円」

入社5年目にはスーパーバイザーに昇格。初めて店舗を離れ、本部のスタッフになっています。スーパーバイザーとは、受け持つ地域の店の社員を教育する立場にある職種です。企業によってはエリアマネージャーと呼ばれることもあります。

当時の収入は以下のとおりです。

年収(概算)474万円
ボーナス秋冬計(基本給+職能給の3.4ヶ月分91万4800千円
月収(概算)26万6千円
内訳基本給 22万7千円
(ベースアップ :3,000円×勤続年数)
登録販売者手当 5千円
職能給 5万円 
家族手当 2万5千円(配偶者 + 子供1人)
住宅手当 2万円

スーパーバイザーになると、給与面もさらに安定してくる実感がありました。職能給が5万円にアップしています。またこの時期、子供が一人生まれて家族手当もさらに加算されています。

働き方も大きく変わり、店員として働くスタイルからデスクワークと外周りが中心に。初めて「サラリーマンらしい働き方をしているな」と実感したのをよく覚えています。

収入の面でも仕事面でも大きな転機と感じられたのが、スーパーバイザーになった5年目です。

入社8年目 副店長 「年収513万円」

入社8年目で、スーパーバイザーから副店長へとキャリアチェンジしました。3年ぶりに本部勤務から店舗に戻っています。

これまで日用品/医薬品部門を担当していましたが、副店長として店の全体を管理する立場になったため、ゼロから学び直しです。新入社員に戻ったような気持ちで、スーパー経営を学ぶ日々は実に刺激的でした。

当時の収入は以下のとおりです。

年収(概算)513万円
ボーナス秋冬計(基本給+職能給の3.4ヶ月分)97万2千円
月収(概算)34万7千円
内訳基本給 23万6千円
職能給 5万円 
家族手当 3万円(配偶者 + 子供2人)
住宅手当 2万円

副店長になってから、登録販売者手当が無くなりましたが、子供がもう一人生まれた分、家族手当が増えています。8年目にして年収ははじめて500万円を超えるようになりました。

入社9年目 店長 「年収616万円」

1年間(厳密には10ヶ月)、副店長として店舗経営や食品に関する知識を学んだ後、店長に昇進することになります。他店の店長が健康上の理由によりリタイヤして、欠員が出たためです。このようにキャリアアップのチャンスがどんどん巡ってくる点は、スーパーで働く魅力といえます。

当時の収入は以下のとおりです。

年収(概算)616万円
ボーナス秋冬計(基本給+職能給の3.4ヶ月分)136万円
月収(概算)40万円
内訳基本給 40万円

店長は、会社幹部という位置づけのため、各種手当は付かなくなりシンプルに基本給に全てが組み込まれて支給されるようになりました。

手当が基本給に組み込まれる仕組みは、うちの会社だけかもしれません

給与体系はシンプルでありつつも、年収額は600万円を超えるようになりました。このように店長までキャリアアップすれば、生活の安定が得られるのではないかなと思います。

スーパーの収入ランキング

小売流通業の情報メディア「ダイアモンドチェーンストア」では、上場食品スーパーにおける給与ランキングを発表してくれているため、この章では1〜10位までを紹介します。

順位企業名平均給与(円)出店エリア
1フジ8,081,000 中国・四国・兵庫など
2U.S.M.H8,000.000首都圏
3アクシアルリテイリング7,518,000新潟・群馬など
4バローホールディングス6,753,000岐阜・愛知・静岡・富山・福井など
5ヤオコー5.955,000埼玉・千葉・群馬・東京・神奈川など
6アークス5,686,727北海道・東北・北関東など
7マックスバリュー東海5,640,698静岡・愛知・三重・岐阜・滋賀など
8関西フードマーケット5,592,000関西
9マミーマート5,531,000関東
10いなげや5,470,000東京・神奈川・埼玉・千葉

データ引用:ダイヤモンドチェーンストア「給与が高いのはあのチェーン! 上場食品スーパー平均給与ランキングを一挙公開」

上位10社の給与はかなり安定している印象があります。特に上位3社は、ため息が出るくらい給与面で魅力的ですよね(笑)。

給料が低いと言われがちなスーパー業界ですが、企業によっては全くあてはまらないのが分かります。よって、綿密に企業分析を行えば、給与の高いスーパーに巡り会えるかもしれません。

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スーパー業界において収入に影響する要素

ここではスーパー業界において、収入に影響を与える要素をいくつかピックアップしてみます。

①職階

スーパーでは部門リーダーやスーパーバイザー、バイヤー、店長などさまざまな職階があり、どの職階についているかに応じて、もらえる給料は大きく変わります。つまりはキャリアアップが収入を決める最も重要な要素というわけです。

②社員区分

契約社員や正社員など、社員の区分によっても収入は大きく異なります。契約社員として雇用されるより正社員として雇用されるほうが、福利厚生が手厚い傾向であるのは間違いありません。私のように契約社員から入社するより、最初から正社員として採用されることをおすすめします。

③資格

スーパーに関連する資格を取ることで収入が高められる場合があります。

たとえば衛生管理責任者防火管理者など店舗運営に不可欠な資格は、店長になるためにほぼ必須です。そのため間接的に収入アップにつながりうる資格といえます。

また食品衛生管理者は、スーパーで働く人なら取得しておくべき資格であり、手当がつく場合もあります。

④家族構成

結婚・出産などによって家族が増えると、家族手当が受けられます。家族手当は配偶者で1〜2万円、子供は5〜6千円程度が相場です。

⑤単身赴任

単身赴任によって二重生活になると、家計の負担が増えると思われがちですが、高額な「単身赴任手当」が付く場合もあります。

私の勤めていた企業では、単身赴任者がかなりゆとりのある生活をしていました。

二重生活によって増える負担は平均で15万円程度といわれています。それを超える手当が付くようであれば、単身赴任によって家計にゆとりが生まれるかもしれません。

企業によっては単身赴任の方が負担が大きい場合も想定されますので、応募の際には、事前に企業の福利厚生を確認しておくことも大切でしょう。

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スーパーの社員に求められる能力

この章では、スーパーの社員に求められる能力を紹介します。これらの能力を伸ばしていくことで、キャリアアップのチャンスに恵まれやすくなります。

体力

スーパーの日常業務には肉体的な負担が伴うため、体力勝負になります。

メインで扱う商材の中には米・飲料・酒など重量品が含まれ、こうした商品の運搬や補充など物理的な作業は、体への負担が大きくなりがちです。また生鮮部門の調理業務やレジ業務における長時間同じ姿勢での立ち仕事も体へ負担を与えます。

忙しい時間帯には、休憩を取ることなく連続して働かなければならない状況もあり、肉体疲労を蓄積させる要因となることがしばしばです。

そのためスーパーの社員は、体力づくりをしておくことが求められます。

マネジメントスキル

人・物・お金など経営資源を管理するのが社員の主な役割のため、マネジメントスキルは重要な能力です。

基本的にスーパーの社員は、遂行すべき作業に適正な人員を配置して、売上や利益目標を達成できるようにマネジメントする役割を担います。人員が不足している場合には、品出しや清掃など単純作業を自ら行う場合もありますが、みだりに作業に加わるのは本来の姿ではありません。

上司から「社員は作業員になるな」と口すっぱく言われたものです

よって作業のスキルばかり磨いていても、マネジメントができなければ社員として評価を受けることはできないわけです。経営資源を効率的に活用しながら、与えられた課題をクリアしていくための「マネジメント能力」は、キャリアアップのために最も求められるスキルといえるかもしれません。

接客スキル

スーパーはサービス業としての側面が色濃い仕事のため、接客スキルが重要です。

お客さんと接する頻度が多いのは、サービスカウンターやレジを担当する人ですが、生鮮部門や食品部門に属する場合にも接客の機会は多いものです。接客スキルの低い店員は、お客さんとのトラブルを起こす頻度が高い傾向にあります。

いくら仕事ができても、クレームを起こしやすい人は「店舗に立たせられない人」といった烙印を押され、キャリアアップのチャンスを逃しかねません。

対応力

スーパーの業務は毎日変化に富んでおり、その日の状況によって求められる働き方が大きく変わります。

基本は自分の担当する仕事を中心に働きますが「ここまでは自分の仕事、ここから先は他人の仕事」といった具合に線引きするスタンスでは、周りから歓迎されません。一方で状況に合わせて、適切に動ける判断力を持つ人は重宝されます。

たとえば野菜の鮮度を確認しながらも、店内のレジカゴを補充したり、サービスカウンターで注文対応を行なったりと、部門の垣根を超え横断的に働ける人は強いです。

こうした姿勢で柔軟に業務に取り組むことで、人より多くのスキルが短期間に身につくため、キャリアアップも早まります。

食への関心

スーパーの社員として働くうえで「食への関心」を持っているかどうかは、個人的に非常に重要だと思っています。といっても入社時点では「料理がわりと好き」「新商品をつい買ってしまう」など、人並みの関心で十分です。

食に関心が高ければ高いほど、食品を買い求めにくるお客さんの気持ちを理解し、購買意欲を刺激する売場を構築できます。逆に食への興味が薄いと、顧客のニーズを捉えるのが難しくなります。

また食への関心の有無は、キャリア形成に影響を及ぼしかねません。

たとえば店舗のトップである「店長」は、店全体のコーディネイトが主な役割です。スーパーの全部門に横串を入れ、総合的な営業戦略を組み立てなければならなくなります。この段階になると、食に関する幅広い知識がなければ、効果的な戦略を打ち出せません。

入社直後は商品知識が乏しくても業務をこなせますが、キャリアを重ねるほど深い食の知識が求められるわけです。

食に関心がある人ならば、楽しみながら食の知識を深められます。ところが食に関心のない人が無理に食について学ぼうとしても、苦痛になりかねないのです。このように「食に対する関心」は、スーパー業界で活躍するための鍵になるかもしれません。

転職に挑戦するなら求人サイトや転職支援サービスを使おう

この記事を読み、スーパーへ転職をしてみようと思う場合、求人サイトや転職支援サービスを活用すると効率的に転職活動を進められるかもしれません。

求人サイトを利用すれば、自分の希望する求人を効率的に探せます。また転職支援サービスを利用すると、転職活動を円滑に進められるためのサポートが受けられます。

ここでは、おすすめの求人サイトや転職支援サービスをいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめの求人サイト

おすすめの求人サイトを紹介します。

リクナビNEXT

リクナビNEXTはリクルートが運営する日本最大級の転職情報サイトの一つです。転職希望者向けに、多数の求人情報を提供しており、スカウト機能適職診断などのサポートツールも充実しています。転職活動を始めるうえで、まずは登録しておきたいサイトの一つといえるでしょう。

マイナビ転職 

マイナビ転職は、株式会社マイナビが運営する転職情報サイトです。求職者向けに豊富な求人情報を提供し、企業からのスカウト機能や履歴書・職務経歴書の添削サービスなども利用できます。新卒向けの就職情報サイト「マイナビ」と連携しており、多様な業界や職種の求人情報を提供しています。

求人ジャーナルネット

引用|「求人ジャーナル公式サイト」

求人ジャーナルネットは、新聞折込の求人チラシやフリーペーパーで培ったネットワークを活かし、地方(東北、関東、北陸、上信越)の求人情報に強みを持つ地域密着型の求人サイトです。

10〜60代まで幅広い年代に向けた求人を提供しており、会員登録後、希望する仕事の条件や応募情報を設定することで、希望に合った求人情報をメールやアプリのプッシュ通知で受け取れ、簡単に応募できます。リクナビやマイナビのような大手サイトと併せて、登録しておきたいサイトの一つです。

おすすめの転職支援サービス

おすすめの転職支援サービスを紹介します。

UZUZ(ウズウズ)既卒

画像引用|「UZUZ既卒公式サイト」

UZUZ(ウズウズ)は、既卒や第二新卒、フリーターを対象にした就職支援サービスです。利用者はカウンセリングを通じて、自分に適した求人を紹介されます。応募企業に合わせた履歴書・職務経歴書添削や面接対策など、徹底したサポートを受けられるのが特徴です。

UZUZは、提携企業からブラック企業を排除するため、離職率、労働時間、雇用形態に厳しい基準を設けています。その結果、転職者の定着率93%という高い実績を誇っているのが大きな強みです。

20代の転職相談所

画像引用|「20代の転職相談所公式サイト」

「20代の転職相談所」は、主に20代の第二新卒者に特化した転職支援サービスです。

登録者向けに5,000件以上の正社員限定求人を用意しており、第二新卒専門のキャリアコーディネーターが利用者をカウンセリングし、一人ひとりに合った企業を紹介してくれるのが特徴です。最初の就職で失敗し、転職活動に強い不安を抱いている人におすすめできます。

登録後は履歴書や職務経歴書の添削を丁寧に行い、模擬面接を通じて実践的なフィードバックも提供してくれます。また転職が決まった後も新しい職場にスムーズに適応できるようアフターフォローを行ってくれるなど、サポートの手厚さも魅力のサービスです。

ミケキャリ

画像引用|「ミケキャリ公式サイト」

ミケキャリは、これまでのキャリアや学歴にコンプレックスを抱える人に向けられた転職支援サービスです。

ミケキャリに登録すると、専門のキャリアカウンセラーとの面談を通じて、提携している10,000社を超える求人の中から希望条件にマッチした企業を紹介してもらえます。32歳までの転職希望者を対象としており、就業先の対応エリアは東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、京都、愛知です。

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画像引用|「キミナラ公式サイト」

「キミナラ」は、若年層向けの転職支援サービスで、求職者を約1万社の企業の中から最適な求人にマッチングさせる転職エージェントサービスです。初めての転職活動に不安を感じる場合にも、エージェントが寄り添い、あなたの転職活動を成功に導くための支援を行ってくれます。

他のエージェントサービスでは、希望する業界に精通したエージェントが担当するとは限りませんが、キミナラでは利用者の希望業種に合わせたエージェントが担当します。これにより担当エージェントが履歴書や職務経歴書の書き方、面接のポイントまで、希望業界に即したアドバイスを受けられるのがキミナラの大きな強みです。

まとめ

この記事では、スーパーの正社員の収入事情を、業界歴10年の「だいすけ」が実体験を交えて解説しました。

スーパーの正社員は低収入と言われがちですが、本部スタッフや店長へとキャリアアップすることで安定した収入を十分に得られます。キャリアアップするためには、マネジメントスキルや対応力、接客スキルなど、評価の決め手となる能力を入社後に磨くことが重要です。

またそれ以前に、就職する企業によっても給与は大きく異なります。企業選びの際には求人サイトや転職支援サイトを活用しつつ、じっくり優良な求人を探し出すことも重要です。

当メディアでは、スーパー業界へ挑戦するあなたを応援します。

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この記事を書いた人

北海道の十勝で活動するフリーランスライター。2時の父。
SEO記事やインタビュー記事を中心に350本以上の実績あり。サラリーマン時代は、スーパーマーケットやドラッグストアに15年勤務。店長やスーパーバイザーを経験。

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